【車いすのダイバー】エレベーターに鏡がある本当の理由♦電動車いすでシニアも活動の場が広がり、豊かで文化的な生活が可能に《前編》
寝たきりゼロの老後をすごす方法/その四
■電動車いすが私の翼になる!
「電動車いす」とは、通常の「車いす」が筋力を使うのに対して、動力に電動モーターを使用しています。
これに出会う前の私は、杖をついて長い距離を歩けたけれど、歩く速度も遅いし、外出は相当な負担でした。
そんな時、電動車いすに乗れば、大体時速4キロぐらい。つまり障害のない人が普通に歩く速度と同じ速度で移動できるし、1日広い会場を見て回っても、疲れを知らずにすごく快適なことを知りました。
一日中、デパートの中を見て回りたいと言うのが、その頃の私の夢。じっくり洋服とかアクセサリーとか、好きなだけ眺めて、おなかがすいたらレストランへ。最高ではないか。歩いて行けば、疲れて2時間も持たないけど、これさえあれば、1日いっぱい楽しめるのです。
圧迫骨折で4ヶ月近く病院へ通っていた時は、歩くと痛みがひどくて外出をせず、家に閉じこもるだけの毎日。
そんな時、昔、国際福祉機器展で乗った電動車いすのスピード感を思い出し、「ぜひ手に入れたい」と思うようになりました。
■介護保険で選べる機種は少ない
介護保険で訪問リハサービスをうけていたので、担当のケアマネージャーに「電動車いすを使いたい」と相談したところ、介護保険の制度の中で、1ヶ月3000円ほどの低額で借りられることを教えてもらいました。
そこで借りることを前提に、業者に介護保険で借りることができる機種の中から、私に合いそうなものを2種類持ってきてもらうことにしました。
自分の体に合わせて工房でオーダーメイドすることも考えましたが、1台最低50万円もするので、あきらめました。介護保険で使用できる機種は、標準型で安全を考慮した数種類しかないのが、ちょっと残念でした。
業者が持ってきた2種類のマシンは、いずれもヤマハ製。詳しいスペックは、それぞれの説明を見ていただけると良いと思います。
https://www.yamaha-motor.co.jp/wheelchair/lineup/
まず試したのは『JWアクティブ PLUS+ Pタイプ』。
車輪が大きく、手元で手動と電動に切り替えることができて、電動で動かすのが難しい時に、手動にして動かすことができます。後輪が大きいだけあって、安定性もあります。
しかし重量が重く、折りたたんでタクシーに乗せるときに積み込みが難しくなります。そのため私は、こちらを選びませんでした。
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著書・執筆紹介
●日本心理学会 「心理学ワールド60号」 2013年 特集「幸福感-次のステージ」
「見ようとする意欲と見る能力を格段に高めるタブレット PC の可能性」
●医学書院 「公衆衛生81巻5号-眼の健康とQOL」 2017年5月発行 視覚障害リハビリテーションの普及
● 一橋出版 介護福祉ハンドブック17「視覚障害者の自立と援助」
1995年発行
●中央法規出版 介護専門誌「おはよう21」2020年12月号から2021年4月号まで「利用者の見えにくさへの支援とケア」連載予定